2022年に開山1150年となります。


▼宗派

  天台宗

▼寺院名

  丘林山 浄土院 華藏寺

▼本尊  

 ●釈迦三尊【伝運慶作】

  釋迦牟尼如来

  文殊菩薩

  普賢菩薩

 ●十一面観音菩薩

  伊勢崎佐波観音霊場 第18番

 ●聖観世音菩薩

  浅草寺御分身

 ●不動明王

 ●元三大師 

 

当山は、第五十六代清和天皇の時代、貞観14年(872年)、玉体安穏の発願により、鎮護国家の道場として、のちの比叡山第五世天台座主「智證大師円珍上人」が東国巡錫の折りこの地を選び伽藍を創建し、『丘林山浄土院華蔵寺』と号し、末寺15ヵ寺を有した古刹大寺であった。

本尊は釈迦牟尼如来、脇侍は文殊菩薩、普賢菩薩の釈迦三尊(伝運慶作)である。

創建当時は現在地より一町ほど東方であった。その後300年にわたり荒廃してしまった寺を文治年間(1185~1190年)世良田山長楽寺の栄朝禅師に願って寺院を修復し、建久年間(1190~1199年)に旧観に復したと言われる。よって栄朝禅師を中興の師と仰ぐ。

またそれまで台密と禅の兼宗であったのを、寛永年間(1624~1644年)に至り、了翁が天台宗に改めた。しかし天保5年(1834年)回録の罹災に遭い焼失、同8年(1837)当山第三十八世天心祐淳の代に再建された。現在の本堂はこのときのものである。

この祐淳の師匠である祐仙和尚の「祐」を引き継ぎ現住職まで連綿として続いている系列を祐仙系法類会と呼び、現在その人数は100を超え、県内県外に関わらずその名を響かせている。

昭和4年、浅草寺貫主大森亮順大僧正の開眼法要により、浅草寺の聖観世音菩薩のご分身を安置し、毎月17、18日を縁日とする。また、お不動様の縁日は28日とし、護摩祈願も行っている。

 

堂内外陣の欄間に刻まれている二十五菩薩や十六羅漢は再建当時のままである。襖絵の水墨画は、中国の画家「傅益瑶」(フー・イー・ヤオ:当時42歳)の作である。前庭の「金木犀」は、樹齢400年。秋の開花期には、その香りが一里四方に及ぶといわれた。近県ではまれなる老樹であるが、昭和12年6月、文部省より国の天然記念物に指定されるが、昭和41年9月の台風により倒伏し、昔日の面影はない。寺院名のごとく華の蔵を思わせる四季の花、桜やつつじ、萩は寺の庭園と共に名所としてその名高く、浪漫の旅人もきびすを接し、この勝景を訪ねる者も多い。